105とアルテグラのクランクの違いって何よ。
どうもどうも。
滞るレイダックレストアを片目に手が止まってるやーまです。
仕方ない。諸事情で今手元にフレームがない。
さらに推しグッズ、PCへの出費で割とピンチ。
頼れるのは値引きされた20円のもやしと、一斤74円トップバリュの食パンです。
そんな中、知り合いから一本の電話が。
「ちょっと、俺のチャリのパーツ送るから売ってくんね?」
そして送られてきたのがこの子たちです。
結構高額揃い達が送られてきましたね…
その中にあったのが105、アルテグラのそれぞれ下3桁に800がつく5800、6800世代のクランクです。
中古ですら105クランクの2倍の値段で流通するアルテグラクランク。
どこまで違いがあるのか気になったので、クリーニングがてら分解してみました。
1,全体の外観
まずは外観です。
どちらもブラック基本ブラックの塗装です。
ただ、アルテグラは光沢と非光沢の中間くらいのブラックがベースなのに対し、105は完全にマットブラックです。
あとは光沢のあるブラックの塗装のデザインの違いがぱっと見でわかる違いだと思います。
2,右アーム
全体的には似たようなデザインだと思ってましたが、こうやって並べてみると一目瞭然
。
シェイプされている形状が全然違います。
アルテグラのほうが結構角ばっており、105は丸っこい。
一方裏面。
これはちょっと驚きました。
シマノの105以上のクランクは、クランクアームを中空で作ることにより剛性と軽量化を両立できる「ホローテック」という技術を使っています。
私は105とアルテグラのクランクの大きな違いは後述するアウターチェーンリングの違いだけだとてっきり思ってました。
ただこの赤で塗ったところをよく見てください。
アルテグラと105で中空になっている部分が異なります。
ここら辺がアーム単体での20gほどの重量差、剛性の違いに直結してくると思います。
これは結構いい発見ができました。
3,左アーム
ちょっとした違いですが、105とアルテグラで文字プリントの上下が違うんですね。
知らなかった…
形状自体は多少違いはありますが、ここで大きく重量差や剛性に響くポイントはなさそうです。
ただ、アームの太さはちょっとアルテグラのほうが太いです。
ここは剛性などのに影響してきそうです。
裏面
裏面も大きな違いはなさそうです。
ちなみにシャフトとの接合部。
ここも違いはなさそうです。
4,アウターチェーンリング
表はあまり変化ないように見えますが…
裏面を見てみると。
もうここは一目瞭然。
中空チェーンリングか肉抜きされたチェーンリングかの違いですね。
アルテグラにはアウターチェーンリングを中空構造で作る「ホローグライド」という技術が採用されています。
この技術は剛性、軽量化、重量に影響するかなり重要なパーツです。
さらにもう一つ。この中空チェーンリングには重要なポイントがあります。
チェーンリングの裏を拡大して見てみましょう。
インナーからアウターに変速する時、必ずチェーンはフロントディレイラーによってアウターチェーンリングの裏側に押し付けられながらアウターチェーンリングまで上がり、変速が完了されます。
この時いかにスムーズにチェーンを持ち上げて、アウターチェーンリングの歯に入れるか。ここで変速性能が決まります。
そのチェーンのガイドラインの作りに大きな違いがあります。
赤に塗ったところがチェーンが持ち上がる道になります。
105は肉抜きによってチェーンリング裏を平らにできないので、チェーンが持ち上がるまでに触れる面積が非常に小さいです。
それに比べてアルテグラ。チェーンリング裏を平らにできるので、チェーンが通るガイドラインを自由に設計できます。
なので、アルテグラはチェーンが触れる面積を大きくとっていることが写真から見て取れます。
実際アルテグラはフロントの変速は「スッ」と決まってくれます。
低いグレードで多発する「ガッチャーン」みたいな変速は滅多に起こりません。
105でも割と変速はスムーズですが、やはり105からアルテグラに変えたとき真っ先に感じられた変化はフロントの変速のスムーズさでした。
逆に自分は貧脚鈍感なので、105からアルテグラに変えたときの剛性の変化とかはよく分からなかったってのが正直な感想です…
余談ですが、R3000系SORAのチェーンリングがあるので見てみましょう。
R3000より前の世代のチェーンリングは一枚構造でしたが、R3000系からは二枚をビスなどで固定して一枚のチェーンリングにする構造になっています。
なのでチェーンの通り道は自由に設計できますが、コストの関係かかなり簡略化されたり、アウターチェーンリングの近くにあるピン?などが105などと異なります。
ここら辺はしっかりグレードで差別化されているのでしょう。
あ、あとクランクアームとの接合部も見ておきましょう。
105は若干欠けるようなかたちをしています。
105のクランクアーム側も見てみると。
特にかけてる部分を補うような形はしていません。
踏んだ力が伝わる面積が小さくなりそうです。
ここももしかしたら剛性への影響があるかもってポイントですね。
5,インナーチェーンリング
105のインナーチェーンリングちゃんとした写真撮るの忘れたっ…!
汚れを撮った写真しかないです。すみません。
アウター側から見たチェーンリングの削られ方が少し違います。
ちょっと重量に影響がありそうです。
インナー側からは違いがわからない…
6,おわり
いかがだったでしょうか。
参考までに、シマノの公表重量はアーム長不明、52-36Tで105 5800が773g、アルテグラ 6800が689gです。
パーツ各所に散りばめられたシマノの技術がクランク単体で84gの差、そして剛性、変速性能に生きているのだと思います。
ただ、105自体もかなり性能はいいです。
費用対効果で一番いい組み合わせは、たまにやっている人を見る105アーム+アルテグラチェーンリングですよね。
まあシマノ的には推奨してないですけど、変速性能とコストを両立できる組み合わせだと思います。
実際amazonで新品でも1万円で手に入ります。
現在105を使っているけど、ちょっとステップアップしたいって方とかいかがでしょうか。
ただ11速ではR8000のクランクが3万円です。
3万出せる人はいっそクランク総とっ替えでもいいと思います。
まぁアップグレードは常にお財布との相談に尽きますね。
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